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外国人エンジニアとの給与交渉で重要な「評価基準」と「昇給ルール」の伝え方

交渉

「入社してまだ半年なのに、『給料を上げてほしい』と言われた」 「評価面談のたびに、相場より高い金額を提示されて困っている」

日本では、これまで「会社の評価を待つ」という文化が一般的でした。一方、グローバル人材市場では、自ら成果や市場価値をもとに給与交渉を行うことは一般的なビジネスコミュニケーションです。

外国人エンジニアにとって「給与交渉(Salary Negotiation)」は自身の価値を証明するための正当な権利であり、日常的なビジネスコミュニケーションの一部です。「生意気だ」「金のことばかり」と感情的に拒否してしまうと、彼らは不当な扱いを受けたと感じて離職してしまいます。逆に、言われるがままに上げてしまえば組織の給与バランスが崩壊します。

今回は、外国人エンジニアからのハードな給与交渉に直面した際の、冷静な切り返し方と、納得感を高めるための具体的な交渉術を解説します。

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1. マインドセット:交渉は「攻撃」ではない

組み合わせ

まず、人事やマネージャーが持つべき認識は、「交渉=退職の脅しではない」ということです。 欧米やアジアの多くの国では、「自分の成果を主張し、それに見合った対価を要求するのはプロフェッショナルとして当然」という文化があります。

給与交渉を「キャリア形成の一部」と考えている人も多く、まずは希望条件を伝えてみるというスタンスのケースもあります。「言ってみて、上がればラッキー。ダメなら今のままで働く」と考えているケースも多々あります。

したがって、交渉された瞬間に「もう辞めるつもりなのか?」とパニックにならず、まずは「なるほど、話し合いのテーブルに着きたいのだな」と冷静に受け止めることが重要です。

2. 絶対NG!やってはいけない3つの対応

注意

交渉の現場で、日本人がやりがちですが、絶対にやってはいけない対応があります。

  • NG①:「検討しておく(善処する)」と曖昧に逃げる
    その場を収めるために曖昧な返事をすると、彼らは「交渉成立」と受け取ります。後になって「やっぱり無理だった」と言うと嘘をつかれたと激怒し、信頼関係は完全に崩壊します。
  • NG②:「みんな我慢しているから」と精神論で説得する
    「他の人はもっと低い給料で頑張っている」という比較は通用しません。「他人は関係ない。私の成果を見てくれ」と反論されるだけです。
  • NG③:根拠なく「特別に」上げてしまう
    引き留めのために給与を上げてはいけません。「個別交渉で給与が決まる会社」と認識され、半年後にまた交渉されるだけでなく、同僚全員が交渉に来る事態を招きます。

3. 「給料を上げて」と言われた時の対応3ステップ

3つ

では、具体的にどう切り返せばよいのでしょうか。感情論ではなく、「ロジック(論理)」と「マーケット(市場価値)」で対話します。

ステップ対応トーク例狙い
Step 1:要求の背景と根拠を聞く
(Listen)
「なぜその金額が妥当だと思うのか、具体的な成果と市場データをもとにプレゼンしてください」個人的な理由か、スキルアップに基づいた正当な要求なのかを見極めます。
Step 2:評価基準と照らし合わせる
(Logic)
「当社の基準では年収600万円には『リーダー経験』が必要です。だから現在は500万円が適正です」「会社がケチだから」ではなく、「ルールに基づいて算出している」ことを理解させます。
Step 3:昇給へのロードマップを示す
(Future)
「現時点では難しいですが、次の半年でこのプロジェクトを成功させれば、次回昇給対象として検討します」具体的な目標(KPI)を握ることで、交渉のエネルギーを仕事のモチベーションへ変換させます。

4. 「カネ」以外で引き留めるトータルリワード戦略

戦略

予算の都合でどうしても昇給できない場合もあります。その時は、給与以外の報酬(トータルリワード)を提示してパッケージ全体での満足度を高めます。

  • 学習支援: 「昇給はできないが、有料のオンライン講座の受講費とカンファレンスへの参加費は会社が全額負担する」
  • 機会の提供: 「給与は据え置きだが、あなたが希望していたAI開発プロジェクトへの参加を認めよう」
  • 自由度: 「リモートワークの日数を増やそう」「一時帰国のための長期休暇を認めよう」

エンジニアは「技術成長」や「働きやすさ」も報酬の一部と捉えます。金銭以外のカードをどれだけ持てるかが交渉の鍵です。

まとめ:交渉ルールを「入社時」に握っておく

最大のトラブル防止策は、入社時に「給与改定のタイミングとルール」を明確に伝えておくことです。

「当社では、給与交渉は年に1回の評価面談の時だけ受け付けます。それ以外のタイミングでは原則応じません」

この一言を最初に伝え、契約書や就業規則に明記しておくだけで、突発的な交渉は激減します。

彼らの交渉は、自分を安売りしたくないというプロ意識の表れでもあります。 感情的にならず、「ルール」と「ロジック」で対等に向き合うことこそが、外国人エンジニアと長く付き合うための秘訣です。

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この記事の著者
海外人材採用・定着支援HRアドバイザーKN

海外人材採用・定着支援HRアドバイザー

KN

私は海外人材領域において、採用成功だけでなく入社後の「定着・戦力化」までをゴールに支援するHRアドバイザーです。特定技能・技人国などの制度理解に加え、現場の受け入れ体制やコミュニケーション環境といった実務課題も踏まえ、企業ごとに最適な提案を行ってきました。これからも採用計画の設計から入社前後フォローまで一貫して伴走し、ミスマッチを防ぎ継続採用と組織力強化に貢献していきます。